《MUMEI》

よしっこれで良いよね皆!!

久我が何かを企んでいるとは露知らず、珠美は浮かれていた。

教室に戻ろうとした時、ドンッと肩に誰かがぶつかった。

「痛っ!!」

「放課後逃げんなよ?」

珠美の耳元にボソッと呟いた。

だ、誰?

声の主を確認しようと振り向くと、久我の取り巻きの女達だった。

その時、その女達と目が合った。

な、なに?この嫌なかんじ・・・。

ゾクッと珠美は悪寒がした。

このとき珠美の気のせいではなく、何かが知らないところで動き出していた。




放課後、珠美は不安な気持ちを抱えつつも
NIGHTSの部室にいた。

「よくやったなぁ〜マミ!!これでケリがつくぞ!!」

明良は珠美の頭をくしゃくしゃと撫でる。

どうしよう・・・邦光君に話したほうがいいのかな・・・。

さっきの女達のことを言うかどうか迷っていたのだ。

「心配せんでも大丈夫やって!!オレらもついとるんやし!!」

「うん・・・ありがとね!!」

良次は珠美が暗いのは不安のせいだと思ったのだろう。

珠美にニカッと笑いかけた。

駄目だ、これ以上皆に迷惑はかけられない!!

珠美は、不安な気持ちを自分の胸に閉じ込めることにした。

「そういえば都槻ちゃんは?」

「あぁ、あいつなら今大事な切り札を確保しに行ってる」

「何それ?」

「まぁ、気にすんなよ!!ほら行って来い!!」

明良は答えずに珠美を送り出した。

「私達も、ツヅちゃんが来たらすぐにマミちゃんのところにいくからねぇ〜!!」

千晴子は珠美にギュッと抱きつく。

「ありがとう〜!!じゃあ行ってくるね!!」

私も闘うんだ!!皆と一緒に!!

ドアから出て行く珠美の姿を、湊汰はじっと見つめていた。

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