《MUMEI》

「うわぁ‥」





駅前だ──。





「ここらは専門店街みてぇな感じで‥」

「あっ、オモチャ屋さん♪」

「なッ‥こら蜜てめッ‥」





鳳君が止めようとしたけど、

蜜君は軽々人込みをすり抜けて玩具屋に行っちゃった。





「‥ったく‥。‥ん‥」

「鳳君?」

「──丁度いい、か」

「ぇ?」

「──来い。見立ててやる」

「はぃ‥?」





見立てる‥?





「鳳く‥、ちょっと‥!?」

「来いっつってんだから来いよ」

「ぇ‥、ぇ‥!?」





私は意味が分かんないまま、

鳳君に連行された。

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