《MUMEI》
危機一髪
「ぇ」





唖然としていると、

ハナが俺を引っ張った。





骸骨の手は振り払われて、

ドクロは土に潜っていった。





“‥気を付けてね、あれに掴まったら‥地面に引きずり込まれちゃうから”

「地面‥に‥?」

“‥うん”





ハナは後ろを振り返って、

さっきの奴が追って来ない事を確かめると、

小さく溜め息をついた。





“あれはまだいい方”

「ぇ‥」





もっと危ない奴がいるって事か‥?





「‥ん」





何だ‥?





“──!”

「ハナ‥?」

“こっち‥!”





ハナは、

信じられない位強く、

俺を引っ張った。

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