《MUMEI》

「水無月様、大丈夫ですか?」
 
男達が入って来た
 
水無月「大丈夫…助けられたわ…」
 
水無月が俺を見ながら言った
 
水無月「久保田は?」
 
「ダメです…突破されました…」
 
俺は、身体がまだ硬直してた…
 
恐怖感……
 
死ぬ覚悟は出来てたはずなのに…
 
水無月「撃たれたの?!」 
雅治「!…」
 
左腕から血が出てた…
 
ジンジンしてると思ったが… 
言われて気付いた… 
 
急に痛みが襲ってきた…
 
「地元の警察が来ました」「110番入電あったようです」
 
…住宅街でドンパチやればそうなるよな…
 
雅治「ぐっ…!」
 
若い男に腕を縛られた
 
「おっきな血管をやられてます、弾は貫通してるようです」
 
水無月「そう、…」
 
「救急車、到着しました」 
水無月「行きましょう」
 
雅治「俺より、デブと、色眼鏡、乗せてやれ…」
 
水無月「死んでるわよ…」 
雅治「……」
 
救急車の中で
 
直接、人を……初めてだな…
 
俺の中に、罪悪感はなかった…
 
チンピラだろと、ヤクザだろうと……
 
どんな、クズだって、母から生まれて来たんだ…
 
家族は、悲しむだろう…
 
頭では、理解してる…
 
俺は、もう…人じゃないのかもしれないな…
 
どのみち、地獄に行くなら…
 
ケジメだけは、つけてヤル……
 
 
 
翌日、病院に迎えの車が来た
 
水無月「行きましょう…」 
雅治「…」
 
ややこしい事になったようだな…
 

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