《MUMEI》
突然メール
その夜


『こんばんは、奈都です。メール見たら連絡下さい』


(…はぁ?)


何気なく開いた知らないメルアドのメールに、俺は首を傾げた。


(とりあえず、何でメルアド知ってるか訊くか)


メールの最後にある携帯番号に電話をかける。


《もしもし》

「何で知ってるんだ?」

《真理子先輩から訊きました》


(そういえば、同じ部活だったな)


瀬川と渡辺は、奈都と同じバスケ部だった。


《それより先輩、またメールしてもいいですか?》

「何で、俺に?」

《返さなくてもいいですから。じゃあ、おやすみなさい》

「ちょっ、」


ツー、ツー、ツー…


(どうして俺の周りには、一方的なやつばかりしかいないんだ)


かけなおす気にはなれず、その日は一方的なやつの代表である忍にいつものように報告をして眠った。


翌日


渡辺に確認すると


『ストーカーの事で悩んでるみたいで…この前田中君に相談した時、連絡先訊かなかったから教えて欲しいって言われて…

ごめんなさい』


こちらが申し訳ない位、謝られてしまった。


(まぁ、後輩が困ってれば、普通か)


ため息をつきつつ、納得した。

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