《MUMEI》

「んあぁー…やぁっと終わったぜぇ…」

偶然先生が遅れて教室に来たため、ボクたちは無事に授業を受けられた。

「陸ー!かーえろっ♪」

「あ、うん…今準備するよ。」

はぁぁ…。こんなことになるなら空くんにビデオもらったときに返さなければよかったぁ…。

「陸!海!ちょっと待った!」

「なによ…死にたいの?」

海さぁぁぁん!?幼馴染みくらい仲良くしようよ!?

「せっかくだから昼休みの続き話そうぜ。オレ今日バイトねぇし。」

「やだ!今日はあたしと陸の大切な初え「それがいい!いこう!」…陸?」

あ、危ない…もうすこしで18禁になるとこだった。海には悪いけど…

「ボクたちは今他の能力者に狙われてるかもしれない…。そんなときボクは弱いから、海を守れないかもしれないんだ。だから…その時のためにやれることはやって、できるだけ強くなりたい。…わかってくれる?」

「…。」

あ…な、泣いちゃった…ちょっと言い過ぎたのかな…でもボクの本音には違いない。…いや決して鼻血スプラッシュを避けたいからとかじゃなくてね?…多分。

「う…海?」

「…う。」

「う?」

「嬉しいっ!!」

へ?…ぐぇっ!?ま、また抱きついてきたぁ!?

「そんな風に思ってくれてるなんて…やっぱりあたし陸が好き!…空!」

「…あん?」

「30分待っててねぇー♪もう我慢無理なのぉ!」

「ひゃあぁぁぁ!空くうぅん助けてぇ…」

「…いっちまった。あいつあんな性格だったかな?」

首をかしげながらも、とりあえずコンビニにでも行こうと一旦荷物を置き、教室を出る空であった。




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