《MUMEI》

初めて見る、水無月の、表情…
 
情けない気持ちなのか?
 
何とも言えない、悲しい顔だった…
 
公安庁「爺さんと、孫の戦いまでわかってるなら、察しがつくだろう…」
 
雅治「父や、母は……」
 
水無月「追放されたり…行方不明になったり…」
「…全員じゃあ、ないけどね……」 
 
公安庁「国内なら、我々も、それなりに、動けるが……」
 
雅治「お前は孫なのに、保守派か?」
 
水無月「…そうね…独りぼっちのね……」
 
雅治「……」
 
 
公安庁「率直に聞く…血判書は、どこにある…」
「お前が死んだら、世に出るとは……」
 
雅治「………」
 
公安庁「わかってくれ……我々に出来る事は、何でもしよう……」
 
水無月「お願い……」
「ムリを承知で、言ってるの……」
 
公安庁「我々に、預けてくれないか?……」
 
 
雅治「…悪いが…断るよ…」
 
「だが、奴らの手に、渡らないようにする」
「それは、約束しよう…」 
 
 
話は、平行線のまま…
 
雅治「それに、奴らが欲しがっているのは、それだけじゃない……」
 
「本当に欲しいのは…悪魔の麻薬の製造方法だろ……」
 
公安庁「それもあるだろう」
 
雅治「その一部なら、有るぜ」
 
公安庁「本当か?」
 
雅治「あぁ…」
「福岡の病院から、防衛省の病院に移送され、あんたら、公安が来た……」
 
「あのとき、俺はピンと来たんだ…」
 
「だから、探してみた…」 
「全部は揃ってなかったが…まぁ、俺が見ても…化学式はわからんがね…」
 
公安庁「どこにある?」
 
雅治「欲しいなら、やるよ」
 
公安庁「うむ、預からしてもらう…」
 
雅治「じゃあ、俺を自由にしてくれ」
 
公安庁「掛け合ってみる」「ここで、待っててくれ」 
公安庁の奴が部屋を出ると
公安部長が入って来た

雅治「仲悪いんだね…」

水無月「公安庁は、法務省の外局…公安は、警視庁よ…」
 
雅治「なるほどね…」
 
公安部長「…まだ、俺の話しが終わってない!」
 
雅治「どうしろと言うんだ?」
「俺に黙って死ねと言いたいのか?」
 
公安部長「…そうは言わん…」
 
おっ、ハゲ、真面目な顔は、なかなか見れる顔だな
 
しかし…面白い、ハゲ方だ 
公安部長「何が、おかしい?…」
 
雅治「あんたの髪…」
 
漫画に出てくるような、横の髪をてっぺんに持ってきてる……なんとも、愛嬌ある…髪だ
 
公安部長「…お前なぁ…」「よく、現実を見ろ」
 
「何度も鉛弾、身体にもらって…」
「死んでてもおかしくないんだぞ」
 
「それに、何だ!、お前が持ってた銃は!」
 
「国家が発注しなきゃ、…まず、売ってはくれない銃だぞ……」
 
雅治「……黙秘…」
 
公安部長「……」
 

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