《MUMEI》

走って来たようで息も絶え絶えだ。
パーカーのフードを深く被っている。


フェンスからまた人影

夜遊びか?
感心しないな。

二人は抱き合っている。
  駆け落ち?

また、ノゾキか……
溜め息出そう。欠伸も。

恋人?キスしてるし。
でも、二人ともスカート……、どう見ても……女子。
 「ン……ッ……」
小さな高音が主体の喘ぎ声

  ……えーと?


 ニャー……
大きな音を立てて野良猫が俺の横を通り過ぎる。




馬鹿猫!


……バレた。


逃げなきゃ、

ずっと息を潜めているよりは結果的に良かったかもしれない。

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