《MUMEI》 後ろ──ハナがなくした手毬は、 ハナが三歳の時にお祖母さんがくれた物らしい。 ハナは、 ずっとその手毬を大事にしていて‥ 毎日それで遊んでいた。 この森で迷子になってからも、 ハナは手毬を捜し続けた。 それでも手毬は見つからず‥ ハナは、 この森で‥。 “お兄ちゃん‥?” 「‥ぁ‥ごめん」 “──ハナの事考えてた?” 「──ぇ」 ばれてる‥ のか‥? とにかく‥ 手毬を見つけないとな‥。 “‥‥‥お兄ちゃん” 「ぇ」 “‥‥‥後ろ‥” 前へ |次へ |
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