《MUMEI》
三度目の命日
亡くなった当日は、その事実を知らずに過ごした。


二回目の命日である去年は、病室の個室で過ごした。

そして、今年


(晴れて良かったよな)


三度目の也祐の命日を、俺は学校の


誰もいない屋上で過ごしていた。


(これ、本当は学校に来てるって言わないよな)


俺はサッカー部で毎日朝一番に来る守よりも早く登校し


教室にも寄らずに、屋上に来ていた。


一応、志貴には、今日は探さないで欲しいと昨日のうちに連絡しておいた。


(じゃないとうるさいし)


同じ位うるさそうだが


学校が違う柊と、学年が違う頼には連絡はしなかった。


ちなみに


今日一日、俺は携帯を使用する気は無いから、電源を切ってアパートに置いてきていた。


(携帯といえば…)


何故か奈都に番号とメルアドを知られた事を厳が知っていて


しつこく『俺とも交換して!』と言われたが


はっきり言って俺は厳とやりとりする予定は無いし


これ以上、一方的なメールは迷惑だから、きっぱり断っていた。





(いけない、いけない)


せっかくの貴重な一日に、余計な事を考えてしまった。

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