《MUMEI》 約束「じゃあその時は──家に来ないか?」 “お兄ちゃんのお家?” 「色々見せてやりたい物とかあるし──」 “今って、昔とは違うの?” 「ぁぁ──たぶん、かなり」 “例えば?” 「──例えば──ラジカセとかゲーム機だとか」 “らじかせ? げーむき?” 俺にとっては、 あって当たり前の物も── ハナにとっては、 どちらも珍しい物らしい。 “お兄ちゃん、それ持ってるんだ──” 「ま‥‥‥まぁ、な」 “ハナも使ってみたいな” 「じゃあ、手毬が見つかったら──、一緒にここ抜け出そうな」 “うんっ、約束ね!” 前へ |次へ |
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