《MUMEI》 それに──。 さっきまで、 あんなに怖かったのに何か── ちょっと平気になってきた。 鳳君が手を握ってくれてるお陰か、 あんまり怖いって感じはしない。 「──食わねぇのか」 「ぇ」 「これ」 鳳君は、 座席と座席の間に置かれてるポップコーンを指差した。 「食っとけ」 「ハイ‥」 ──すっかり忘れてた。 ポップコーンの存在‥。 「───────」 これって── デートなのかな? 服‥ 強引な感じだけど買ってもらったし‥。 一緒に映画見てるし‥。 ──それに‥。 手‥ 繋いじゃってるし‥。 前へ |次へ |
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