《MUMEI》

「──高いですね──やっぱり」

「そやなぁ」





何年振りやろか、

観覧車に乗るやなんて。





「──ぁ、先生」

「?」

「綺麗ですよ──空」

「──お‥、ほんまや」





下で見とった時よりも、

透き通って見えるような気ぃする。





「やっぱり遠いですよね」

「何がや?」

「太陽──」





卯月は片手を掲げて、

目の前で手を翳す。





「でも──すぐ隣りにいますから」

「?」

「──太陽みたいなナイトが」

「‥太陽みたい、な‥?」





オレの事‥か‥?

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