《MUMEI》

俺は1人部屋に残され
テレビを見てた
 
鎌倉の資産家、拉致事件
 
ヤクザによる発砲…
 
資産家は、外出中で、無事、警察が保護
 
俺の事か?……
 
報道すら、操られてる…
 
何が本当で、誰を信じるか……
 
 
夕方、公安庁の奴が来た
 
前回と、同じく、自由に行動させると……
 
水無月も一緒だった
 
直ぐにでも、出発したかったのだが…
 
公安部長に、待ったをかけられたんだ
 
 
夜9時過ぎに、公安部長が来た
 
公安「待たせたな」
 
かなり、不機嫌そうな態度だった
 
雅治「機嫌悪そうだな」
 
公安「まったく、日本はおかしくなっちまったよ」
 
「犯罪者が、大手を振って街を歩くとはな…」
 
真顔で俺を見ながら、言った
 
公安「いいか!一般人巻き込んでみろ……」
「絶対にゆるさんからな!」
 
鼻がくっつくぐらいの距離で怒鳴る、公安部長
 
公安「監視を付ける、いいな!」
 
どかっと、テーブルに、シルバーのジェラルミンケースを置いた
 
公安「俺の警察人生の汚点だ……」
 
ケースの中身は
 
ベレッタM93R
 
公安「……」
 
雅治「……」
 
俺は黙ってケースごと、持ち、部屋を後にした
 
水無月「はい、」
 
水無月が俺に鍵を渡した
 
地下駐車場で、俺を待つ
F430 ……
深紅のボディーが、血に染まっているように、感じた……
 
水無月「必要な物は、準備してあります」
 
シートに、俺の財布や携帯…普段使ってる物が置かれてた
 
 

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