《MUMEI》

―――――――――

「…とまぁ、ボクが見た夢はこんな感じです。」

ボクは、力を得た時、力を知った時、そしてついさっきの夢の内容をみんなに一通り話した。

「へぇ…陸くんの夢にねぇ…。」

「オレと海は最初の夢だけ一緒で、2回目は名前聞いただけのようなもんです。」

「ちなみにアタシもそうよ。なんで陸くんだけ特別なのかしらね?」

そういって怜さんは、腕を組み目をつぶって考え込む。

「さぁ…。棗さんに聞いても教えてくれないし、わかんないんです。」


「とりあえずオレらはこんなところか。怜先輩はなんか知ってますか?」

「えぇ、まぁ。アタシが知ってるのは、この力がどんなものか…かな。大まかにだけどね。」

「…?怜先輩、どうゆうことですか?」

「そのままよ。使い方とか、鍛え方とか…まぁいろいろ。」

「「「…!!」」」

ボクらは驚きを隠せない。棗さんや雪さんも知らないことをなぜ怜先輩が…!?まぁ、なんにしろ…

「ホントですかぁ!?怜さんすごーい!!」

「すごいのはアタシじゃなくて友達の力よ。まぁ…その友達は後で紹介するわ。今はともかくこれがなんなのか…それを説明しましょう。あ、説明しやすいように若干勝手に名前つけたりしてるわよ?」

「かまいません、お願いします。」

「ん、了解♪…まず、この力は、3人とも知ってる通り“言葉の力”。」

…そう。この力は、ある言葉を操る力。それくらいならわかるが…

「その中でもただ一つの単語、一つの【動詞】を操る力なの。」

【動詞】を操る…?

「例えば、さっき言ってたように陸くんは【切る】っていう動詞を操る力なの。」

「ってことは、名詞や形容詞、副詞などは入らないってことですか?」

「ご名答♪さすが海ちゃん♪」

「エヘヘー♪」

…海、めっちゃめちゃ嬉しそうだなぁ。

「つまり、この力は一つの【動詞】によって示される【行動】のいずれかに対して何らかの影響を及ぼすっていう力なわけね。ここまでいい?」

…正直頭がパンクしそう…あうぅ。

「難しいかったかしら?まぁここはなんとなくでもいいわ。重要なのはここからよ?」

「そこで、とにかく私たちはこの力の総称を【Verb】、そしてそれを使う人を【使役者】と呼ぶことにしたの。」

あ、これはわかる。つまりボクは使役者で、切るVerbを使うってことだよね。

「そして…この力には種類があるの。」

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