《MUMEI》

「まず聞いておきたいんだけど、空くんと海ちゃんはどんなVerbなのかしら?」

「オレは【投げる】Verb。んで…」

「あたしが【飛ぶ】Verbです。」

「ありがと。2人ともなかなかいいVerbなのね♪…それで種類なんだけど、まず海ちゃん。」

「あたし?」

「海ちゃんのように、《使役者自身に何かしらの影響を加える》Verbを【強化型】というの。」

「へぇ〜…あたしは強化型かぁ…。」

「次に空くんのように、《使役者とは違う何かを媒体に、相手に何かしらの影響を加える》Verbを【媒体型】と言うの。」

「なるほど。んじゃオレは媒体型だな。」

「そして、陸くんのような《使役者自身が相手に何かしらの影響を加える》Verbを【直接型】。ちなみにアタシもこれね♪」

「怜さんと一緒か。覚えました!」

「んで最後に、《3種類の型のどれにも分類できない》Verb。これを【特殊型】と言うのよ。」

「すげぇな…そんなんどうやって調べたんですか?」

「まぁまぁ話は最後まで聞いて。次にVerbの使い方かしらね。これは結局【動詞の使い方】ってことになるかしらね。」

「…というと?」

「例えば、陸くん。【切る】だけじゃ文は成り立たないでしょ?最低限成り立たせるには何が必要かしら?」

最低限?うーん…うーん…あうぅ。

「…空くん、後で説明しなおしてあげてね。」

「了解っす…。ちなみに、答えは主語ですか?動詞は述語になりますから。」

「やるわねぇ…。その通り!つまり、主語に入れる言葉によって力が変化するの。例えばね…陸くん大丈夫?」

「あ、はい。なんとか。」

「まずこの紙を切ってくれるかしら?」

そういいながら、怜さんはポケットの中からガムの包み紙を出してきた。

「…?わかりました。」

ボクはいう通りに、指を紙に当てて、真っ二つに切るように指を滑らせた。

「…うん、上出来♪さて陸くん。この紙を切るとき、なんて思いながら切った?」

「えっ?うーんと…『紙よ切れろ』みたいな感じです…。」

これがなんなんだろう…?どうしよう、さっぱりわかんない。

「うん、そうだよね。つまりこの瞬間、陸くんのVerbは【紙】を切るVerbになったわけ。」

「そうか…!つまり、《Verbを実行する》イコール《一つの文を作る》ってことですね!」

「空くん冴えてるじゃない♪つまりは、そういうことね。」

…あうぅ。

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