《MUMEI》

 車に戻ると、水無月が、 
水無月「ねぇ、コンビニ寄って、くださらない」
 
「下着が汚れて気持ち悪いの…」
「避妊、しなかったでしょ…」
 
雅治「わかった…」
 
水無月は木箱を明け、ノートをブラウスの中に入れて、車を降りた
 
買い物をし、トイレを借り 
また、買い物して、出て来た
 
水無月「缶コーヒーよ」
 
雅治「気がきくね」
 
 
海沿いの有料道路を走る
 
夜が、うっすら明けてきた 
前方の大型トラックが
急に2車線をふさいで停まった
 
慌てて急ブレーキを踏んだ 
雅治「ちっ!」
 
 
トラックは、爆発し、炎上した…
 
俺は直ぐに、バックした
 
乗用車2台が、斜めに停まり道をふさぐ
 
雅治「挟み撃ちか…」
 
俺は再び、炎上してるトラックに向かってアクセルを踏んだ
 
後輪が空転する
 
ハンドルを切り、180度方向を変えた
 
スピンターンだ
 
乗用車から男達が降りてきた、バットやら、鉄パイプを持って居る…
 
俺はパワーウインドウを開け
ゆっくり乗用車に走りだした
 
窓から手を出し、ベレッタの引き金を引いた
 
逃げ惑う男達
 
雅治「銃は持ってないらしいな…」
 
俺は乗用車にノーズを当て、押した
 
強引に道を開き、有料道路を逆走した
 
雅治「おかしいな…」 
 「反対車線も…車が一台も通らないなんて…」
 
有料道路の入り口を逆そうで出た
 
国道の反対車線には、
事故、有料道路、通行止めと、
電光掲示板に書かれていた 
雅治「公安の仕業か?」
 
パシャーン! 
 
水無月「きゃぁっ」
 
F430の、小さなリアウインドウが割れ、フロントガラスに、蜘蛛の巣状の後が…
 
狙撃された!
 
雅治「水無月、伏せてろ!」
 
俺は、真っ直ぐの国道を逸れ、脇道に入った
 
だが、俺の行動は、全て、読まれていたんだ…!
 
脇道を、入って直ぐに、ダンプカーが道をふさいでいて……
 
逃げ場は、右の生コンプラントだけだった… 
 
雅治「罠か…」
 
生コンプラントの、広い敷地で、F430をスピンターンさせたとき
 
バーン!
 
でっかい破裂音と、共に、F430は、コントロールを失った…
 
タイヤを打ち抜かれたんだ!
 
雅治「……お手上げだな…」
 
辺りを見渡す…
 
敵の姿は無い…
 
どこから、撃ってきたんだ…
 
水無月が電話をかけた
 
水無月『狙撃されてます、場所を送ります、応援を…』
 
なに、無駄な事を……
おそらく、公安も敵… 
やはり、女だ…、使えないな…
 
まぁ、自分だけは助かるつもりかな…
 
水無月がグローブボックスを開けた
 
小型の拳銃と、見たことの無い、ホルスターが…
 
水無月は、スカートを捲ると、真っ白な、太股に、
ホルスターを装着した…
 
こいつ……戦う気か……

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