《MUMEI》

「──ゎ‥」




裏山の頂上は、そこだけが別世界みたいで。





まるで、プラネタリウムを見ているみたいで。





「──なかなかええもんやろ?」

「──はい」





裏山に来たのは、これが初めてじゃない。





でも、こんなに綺麗な星空が見られるなんて知らなかった。





「───────」

「なぁ碧依」





碧依、と呼ばれて‥私の心臓が高鳴る。





「な‥何か──‥」

「楽しかったか?」

「──はい、とっても」





楽しかった。





本当に、楽しかった──。

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