《MUMEI》

「はあ?」

「早く、女の穴を!
裕斗お〜ッッッ!」

俺は裕斗の首に腕を巻き付け腰を左右に揺らす。
「パパのオッパイも吸ってッ!ぁあ、母乳も出してッ!きつく抱きしめてッッッ!」
「何だかわかんねーよ!秀幸っ、ひでゆきい!俺仕事だからもう行くから離して!なあ秀幸ってば!」
「酷いッ!仕事と妻どっちが大事なの!
わたしを置いてかないでっ!
裕斗ッ!ゆ…」


グニョッ!

「あ¨う¨……いだい……」

「いい加減にしろ秀幸……」


目をはっきりと開けるともの凄く呆れた顔の裕斗が俺を見下ろしていて……

強く握られたパパのオッパイがジンジンと痺れていた。





「まったくもー、すっげー寝ぼけ方」
裕斗は呆れながらホットコーヒーを俺の前に置いた。
そして携帯を開き弄りだす。

「あ〜びっくりした〜…、……
はは、そうだよな、俺が女なんて気持ちワリイ…」

「女?」

「いや、…こっちの話…」


「…」

「な、裕斗」

「ん?」


「俺が女だったらどうする?」

「笑う」

「あ〜、そう…」

俺はコーヒーを一口飲み、携帯に夢中の裕斗に更に聞く。

「もし俺が女でよ、裕斗の子供身篭ったとしたらお前はどうする?
やっぱりおろさせるか?」

「う〜ん…」

パコンと携帯を閉じ、俺を見つめてきた裕斗。大きな目をちょっと動かして、そして笑顔で言った。

「面白いから産んでもらうな!
つか秀幸が出産なんてめっちゃ笑えるし!フフッ、俺が秀幸のパパ?ありえねーし面白れーしめっちゃウケる!」

「…あ〜そう…」


よかった、俺男でよかった…。
こんな奴が親父じゃ秀斗が可哀相だ。



裕斗がマンションを出て行った後俺は服を脱ぎバスルームに入った。
鏡に姿を映す。



間違いなく男の体。オッパイだってある訳ねえ…。

「はは…パパのオッパイだって…」
幾ら夢の中とはいえオッパイ呼ばわりされてしかも弄られたちん〇。
何気なく握りながら鏡を見ると

「な!なんだこれはっ!!?」

ちん〇を直に見る。
「裕斗のヤロ〜ッッッッ!!!」



俺のパパのオッパイに、ドクロのデザインのインスタントタトゥー…


確かおんなじの少し前に…
裕斗は腕に着けていた…。

「こんないたずらすっから変な夢みたんじゃねーかっ!」




洗ってもとれやしなくて諦めて部屋に戻る。
こんなんじゃ人前で全裸になれねえ…

って…。


あ…

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫