《MUMEI》

「‥あれ、先生‥?」





ずっと、隣りにいたはずの先生。





確かに、隣りにいたのに。





見回しても、いない。





「先生‥?」





どこに──‥。




「おーい、こっちやこっちや」

「ぇ──」





先生は、枝に座っていた。





無邪気な笑顔を浮かべて。





「せ‥‥‥先生‥危なくないですか‥?」

「大丈夫やて」





先生は枝から飛び下りると、また私の隣りに来て、星空を見上げた。





「ほんまに綺麗やな──」

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