《MUMEI》

「ぃぇ──鳳様や蜜様が話されているお声が聞こえてきます故」

「───────」

「如何なされましたかな‥?」

「──柏木さん、すっごく慕われてるんですよ──」

「と‥申されますと‥?」

「鳳く‥‥‥鳳様仰ってました。『親代りみてぇなもんだし』って」

「鳳様が‥でございますか‥?」





柏木さんは、

ビックリしたみたいだった。





たぶん、

初めて知ったんだと思う。





「───────」

「だから、落ち込まないで下さいねっ」

「──はい、有り難うございます」





細められた瞳に、

やっと、

光が差した。

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