《MUMEI》
寝不足の朝
(眠い…)


翌朝、俺は寝不足だった。


俺は普段は、日付が替わる頃には寝ている。


しかし、昨日は旦那様の命日だったから、二十三時五十九分まで俺は忍に報告メールをしなかった。


もちろん、それは果穂さんへの報告メールも同じだし


春日さんの情報チェックも日付が替わってから行った。


そして


忍は墓参りの様子を電話で報告してきたから、俺は睡魔と戦いながらそれを聞き


それから風呂に入り


午前二時に就寝したのだった。


(朝食ゼリー飲料で済ませればその分寝れるか…)


寝不足の俺は、そんな事を考えていたのだが…


ピンポーン





(志貴、か?)


昨日学校をサボったから、志貴が様子を見に来てもおかしくない。


ピンポン、ピンポン





(柊?)


こんなに続けてチャイムを鳴らすのは、志貴ではない。





ウ゛ー、ウ゛ー、ウ゛ー





(やっぱり志貴だ)


ピッ


「もしも…」

《おはよう》

「お、おは…」

《開けないと、ぶち破る》
「はぁ!?」


(今の声…)


そして俺は慌てて玄関に行き、ドアを開けた。

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