《MUMEI》 「……帰る。」 なづきは支度を始めた。 「なんで! もっと話してよ。」 ガキみたいに拗ねた顔をする。 「……疲れる」 ぎろりと鋭く睨む。 「じゃあ、いるだけにしよう。話さなくていいから。 あ!此処で描こうか。 道具置いてあるでしょ?」 ルナはなづきの上着を召し使いの如く腕から奪い取る。 「俺は本来大人しいんだ」 「あのさ……」 どこが大人しいだと! 10分も経ってない! と言いたい言葉を飲み込みルナの方を振り向く。 前へ |次へ |
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