《MUMEI》

「せやから痛いて‥。いちいち肩どつかんといてや‥」

「いやー、つい癖でさ」





その台詞に、

思わず笑うてしもた。





「いつからやねん」

「いつからだっけなぁ」

「ははっ、何や──ただどつきたいだけやん」

「お前もやっていいぜ?」

「いや、オレはええわ」





流石にどつく勇気はあらへんし‥。





「ぁ‥そや」

「ん?」

「碧依な──今日むっちゃ嬉しそうに笑うてん」

「おっ、ついに名前で呼ぶようになったかぁ♪」

「ぇ、──ぁ‥」





今‥

完全に無意識やった‥。

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