《MUMEI》

「もし地球が終わるなら俺は何をしたらいいだろうかと、他人の意見を聞きたいなって。」
ルナは黒い内臓を塗りながら終末の話題をした。

「……迷うくらいなら死んじまえ。
自分で決められない最期なら死んだようなものだ」
なづきは突き放す言い方を心掛けたつもりだ。


「歩道橋でマゼンタの前で落ちてあげる
俺を最期の絵の中に入れてよ。記録して?」

「超迷惑。」

「いいよ、じゃあマゼンタの横で世界の最期とやらを写生するさ」
彼はやれやれと言うような動作で首を振る。
なづきは腹が立った。


どんな美しい世界もコイツが入ってしまえばおしまいだ。


   狂ってしまう

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