《MUMEI》
葛藤
ハナは‥

もう人間じゃない‥。





だから、

・・・
向こうへ行かなきゃならない。





俺は、

その為に手毬を捜しているんだ。





──そうだったはずなのに。





“お兄ちゃん‥”

「‥‥‥‥‥‥‥」





ハナが行ってしまう事を思うと‥

辛い。





ハナが、

自分の手の届かない所へ行ってしまうのが。





“お兄ちゃん──‥”

「ハナ」

“‥ぇ”

「一緒に‥」





言いかけた時、

背後に‥

気配がした。





“──魂‥”

「ぇ」

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