《MUMEI》

「まぁ、最近アイツも何かいいヤツみたいだしな」

「──そや‥お前──帰らんでええんか?」

「ぁ──そうだったそうだった」





涼はコンビニの袋を担ぐように肩に掛けて、挨拶代わりに片手を上げた。





「そんじゃ、学校でな♪」





涼が角を曲がって行ったんを見届けてから、オレは家に帰った。





「エラい遅かったやん宵──もうみんなご飯食べてもうてるで?」

「すまんすまん──」

「((で、どないやったん? 碧依ちゃんとのデート♪))」

「ぇ」

「((ええなぁ──あたしも恋とかしてみたいわ──))」

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