《MUMEI》
黒鶫
「何か──企んでる‥とか」

“それって‥やっぱりお兄ちゃんの‥”

「───────」

“‥‥‥何でハナの手毬‥”

「ハナ」

“お兄ちゃん‥?”

「何か‥聞こえないか‥?」

“ぇ‥‥‥”





ハナは顔を上げて、

キョロキョロと当たりを見回す。





“──っ──”

「ハナ?」

“どうしよう‥”

「ぇ‥?」

“黒つぐみ‥”

「クロツグミ‥?」





ぽかんとして薄暗い空を見上げると‥

月明かりの中に、

     ・
いくつもの点が見えた。





‥それは次第に、

俺達に迫ってくる。

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