《MUMEI》

「ユリウス?怒っているの?」


雹里はきょとんとした顔で聞くとユリウスはいきなり止まり優しく地面に降ろした。


「ユリウス?」


小さく首を傾げる雹里にユリウスは睨みつけた。


「お前は分かっているのか!この国の王であると同時に魔族の王なんだぞ!

いつどこに暗殺者が潜んでいるのか分からないのに、護衛もつけずにしかも僕たちに何も言わず城下に出るとは!何を考えているんだ!」


「ご、ごめんなさい…」


雹里は涙を溜め下を向いた。

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