《MUMEI》

部屋に駆け込んで、

紅茶で濡れた服を着替えた。





「──はぁ‥」





戻りにくいなぁ‥。





「──おい、着替えたんならとっとと戻って来い」

「ハイッ‥」





戻んない訳にはいかないみたい‥。





「‥あの‥‥‥スイマセンでした‥」

「別に怒ってねぇよ」

「はぃ‥?」

「怒ってねぇ」





鳳君は、

ズンズン歩いて行きながら言った。





「──だからシケたツラすんな」

「ぇ──」

「バーーーーカ」





鳳君の声が、

笑ってる。





「勝手な勘違い、してんじゃねぇよ」

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