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《MUMEI》 「──失礼しまーす」 「音無様──」 「あの、お茶──良かったら」 「有り難うございます」 柏木さんは湯飲みを受け取って、 嬉しそうにした。 「鳳様と蜜様は如何なされて居りますか‥？」 「さっき紅茶とケーキを食べ‥‥‥お召し上がりになられ‥ました」 「左様でございますか──。有り難うございます」 「ぃ‥いえっ、私──何かドジってポットひっくり返したり‥そんな事ばっかですし──。柏木さんみたいには、どうしても‥」 「音無様は、それで宜しいのでは‥？」 「ぇ」 「鳳様も蜜様も──そうお思いになられて居られる筈でございます」 前へ |次へ |
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