《MUMEI》

「ないなぁ──またお兄ちゃん隠しちゃったのかなぁ」

「ぇ──」

「お兄ちゃんってばね? いっつもお菓子隠しちゃうの」

「何で?」

「ゴハン食べれなくなるからって」





膨れっ面で、

蜜君は戸棚の中を探し回る。





「ない〜‥」

「蜜君、晩ご飯作んなきゃなんだけど──」

「お〜菓〜子〜‥」

「ぁ‥えっと──‥」

「ん?」

「チョコならここにありますけど?」

「チョコっ?」

「でも‥たぶんお菓子作り用のだと思うんですけど──‥」





ってもう食べちゃってるし‥。





「ね、今日の晩ゴハン何?」

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