《MUMEI》

青龍、玄武、白虎、朱雀、。これは陰陽師?

 かなり重厚な感じは、まるで陰陽を思わせる逸品だった。

 何度か手を伸ばそうとしていた蛇を象ったナイフは、確かにワイルドでかっこいいし、それなりに買いやすい値段ではあったけどー
コレはもう比べものにならない位の凄みと重厚感を持っていた。
 未だかつて感じたことのない興奮に琥珀は夢中になっていた。中学のときからかなり多くのサイトを覗いて来たつもりだ。でも今までこんなに興奮するモノに出会うことは一度もなかった。運命ともゆうべきこの瞬間を絶対に逃したくなかった。

 こんなナイフに刺されるのなら本望だな。もうダメだ、我慢出来ない。これだけは絶対に手に入れたい!

 手持ちの残り少ないお金をすべて掻き集めて、琥珀は後先考えずにパソコン画面のボタンを押した。

「もうカウンターだけの客ではない。しっかり磨いて贈ってくれよ!」

 そして間もなく手元に来る過去からぼくへの贈り物、これからかたときも離すことはナイだろう。

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