《MUMEI》
琥珀
あの日以来、僕の傍にはにはいつも白い少女がいる。きっとこんな僕だけど、天から白い天使を僕に与え育むとゆう使命を与えられたんだ。何故か

 こんな僕なのに…

 とは思わなかった。

 そうだ、僕が名前を付けて上げよう。

「JUJU。ナイジェリアのヨルバ族の護符で神様の名前だよ」

 嬉しそうに微笑む天使に僕は、もうひとつ誓いを立てた。
 二人だけの洗礼の儀式。この間通販で手に入れた陰陽の代物。1987年製のクラシックナイフ。桐の箱から取り上げた重々しい白虎をおもむろに開くと、玄武の光と共に青龍と朱雀がぼくの真ん前に現れ思わず歓喜の声を上げそうになる。
 そしてこのナイフはこれから儀式を行おうとする二人を祝福するかの如く、磨かれたナイフには未来をすべて引き受けたぼくの顔をくっきりと映し出していた。

 まだ子供だから乾杯は出来ないけど、神への誓いは今この瞬間に永遠のものとなる。言葉を持たない少女は怖がることもなく暗黙の状態で慎んで受け入れた。
 一軒家の二階、南側に位置するぼくの部屋は、この時だけは二人以外に誰も入ることの出来ない静粛な場となる。

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