《MUMEI》

祭壇創りからかたずけまで、およそ五十分を費やした儀式が終わり、メインで使用したナイフを専用のクリームと布で丁寧に磨き元あった桐箱にしまう。大切な儀式のあと一息付いてぼくとJUJUはベットに腰掛けていた。
 読書をするのもパソコンを覗くのもソファー替わりにいつもベットの上。そして今のぼくには、JUJUが天使の微笑みを持って傍に居る。思わず何かして上げたい、とゆう気持ちが込み上げて来る。そうだ、さっきの袋は何が入ってるのだろう?

 ふとナイフの入ってた桐箱と一緒にあった袋が気になった。ナイフのことばかり気になってたから、手入れの仕方とかの説明書だと思ってそれほど気にかけてはいなかったけど。巻き紙のように梱包してある軽い包みを開けてみる。

(お買い上げありがとうございます。おかげさまで十五周年を迎えることができました。
此処に記念品を贈呈させて頂きたいと思います。今後とも宜しくお願い申し上げます)

 見るからに堅い文章は置いておいて、中身を確認する。

 人形?

始めはなーんだとガッカリした。でもその人形に付いてる札を見て、思わず微笑んでしまった。どうやらインドネシアからやってきたお守りで災いを食べてくれるらしい。なんとなくナイフの価値が下がるような気がしたけど。

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