《MUMEI》

「JUJU半分こしようね」

 ブルーの瞳の黒兎はぼくの携帯に、ピンクの瞳の黒兎はぼくが引き出しに入っていた革ヒモで手創りのネックレスにしてJUJUの首にかけて上げた。
 嬉しさのあまりにJUJUの方からぼくにしがみついて来た。ほとんど無表情に近い少女が感情をあらわにするなんて。突然のことでびっくりしたけど、その小さな硝子細工の少女をそっと優しく抱き締め返した。

 それにしてもJUJU、君は言葉を話すことが出来ないの?まだ一度も声を聞いたことがないよ…

 相手がぼくとゆう人間だから話すのがこわいのかな。きっといつかもっと心をひらいてくれると嬉しいな。もうどこにも行かないでね、ぼくの大切な神からの守護人形。

 そろそろ来てる頃かな。儀式を終えたあとは庭にゆこう。あれからずっとパンと牛乳を上げてる。僕の分身になら、JUJUは心を許してくれるだろうか?もう少し落ち着いたら逢わせて上げよう。そして一緒に名前を付けて上げよう。きっとぼくの分身は宝物の存在を神の申し子だとしっかり受け取って、純粋な動物の本能ですべてを見抜き、生気を与えてくれると思うよ。それほどまでに君は永遠の天使なんだよJUJU。

 白く透き通った肌を持つ純粋な少女の声を、僕は聞けたら死んでもいいと思った。

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