《MUMEI》 茶々丸とはほとんど会話もしたこともなかった。仲間とは言ってもあっちにこっちにグループがあって、それを大きく仕切ってるのがこいつ。ぼくはどこのグループにも所属しなくて、気まぐれにフラリと現れたりしただけ。 たとえいい加減でよかったとはいえ、どう考えても好きにはなれないヤツは数人いた。そしてこいつがその中の特別な一人だ。 色が斑な金髪にゴールド系の貴金属をジャラジャラさせてヘラヘラ笑っている、耳だけでなく鼻にも口にもピアス。 いったいこいつ幾つピアス空けてるんだ? 数える気さえ起きない。センスがあるんだか無いんだか、中近東の悪徳商人を絵に描いたような男。こいつだけはどう考えても仲間と呼びたくなかった。もちろん仕切ってるリーダーだから、逆らおうとも思わなかったし。ぼくはズルイから上辺だけでも上手くやってゆこうと思ってたけど、絶対にいい死に方はしないだろうなーって思っていたことだけは覚えている。 前へ |次へ |
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