《MUMEI》

男は待ち切れずに、強引に彼女の手を引いてベットに押し倒す。遠くからの印象とは違って男は見るからにだらしがない風貌だった。ホテルに入ってすぐに買ったビールを一気に飲み干していきなり獣に変身してしまう。どうやら男性のスーツは獣とゆう実態を表に出さないために閉じ込めて置くための防具だったようだ。しかし彼女は抵抗することなく、されるままになっていた。
 体中を舐められて男の興奮の声だけが部屋を充満する。まったく気分が悪い。

彼女の白く弾力のある裸体は男のよだれでベッタリして、さぞかし嫌だろうなーと思ってそっと腰を上げて顔を覗き見てみる。

 無表情、無表情、無表情。

 さんざんいたぶって満足したのだろうか、男は女を自分の上に乗せ、これでもかと下から突き上げ強い性欲をアピールする。しかし美しい彼女は声を出すこともなく、時折半開きにした口を華奢な指でなぞるだけ。

 無表情、無表情、無表情。

 どう考えても感じてるようには思えない、不感症なのか?ホントにまったく無表情。男が腰を動かす度にミシっと大きく揺れるベット。その上で真っ白な天女が羽衣も身に付けないあらわな姿で美しく舞っている。

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