《MUMEI》

緑の苔、絡まる海藻にたわむれるblue fishたち。独特な世界観を持つこの空間に、ほんの隙間から覗く塊は私に何かを訴えようとしてるかのように思えてならなかった。

 何を意味するのだろう?いったい誰の墓石?誰がこんな場所に。

 ルナは遠く彼方に創られたと思える十字架のお墓のことで頭がいっぱいになっていた。
そのとき、どこからか視線を感じた。

 何?

 一瞬視点がぼやけてソレを立体化出来なかった。時刻は夕方ーいっせいに電気が付けられて、より感覚はブレた感じになる。そして、その物体はひとつの人間とゆう個体であることに気付き始める。
 やがて視線はやっと見つけ出した宝物を魅るかの如く、思いっきり満遍の笑みを浮かべて声らしきものを発した。

「見つけた!やっぱり間違いない」

 何?男の子?誰?知らない…

 茶髪を軽くバックに流し無造作に羽織られたwhite knit。軽くズリ下がったカーゴパンツのポケットには両手が安定した位置に引っ掛かってた。暇つぶしの金持ちなのか、よくあるナンパ学生なのか、最初はそう思った。
 昔ホテルに行ったことあるヤツ?とも思ったけど、それはすぐに有り得ないことだと勝手に頭の中で打ち消していた。

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