《MUMEI》

「いいのーマミっ!?あんなに傷ついてたんだから、1発ぐらいバシコーンってやってやればよかったのにっ!!」

裏庭を抜けている途中、都槻が珠美に尋ねた。

ていうか、それは都槻ちゃんがやりたかったんじゃ・・・。

「もう充分だろ!!あいつをオレがぶっ飛ばす前に、マミがやっちまったんだから!!」

「そうなん!?じゃああのでっかい紅葉はあやっぺが付けたんか!!」

「あれ、1日は取れないほどくっきりついてたよね」

「あぁ、怖えーよな!!」

良次、明良、湊汰はひそひそと話しているつもりだったが、珠美の耳にはしっかり届いていた。

「うるさいなー!!ムカツイたんだからしょうがないでしょー!!!」

なんて失礼な人達なんだ!!!

「でも、最後はさすがマミちゃんだったよねぇ〜」

「ほんとほんとっ!!あたしなら絶対許せないもんっ!!」

がやがやと話す5人を見て、珠美は胸が痛んだ。

もう、これでおしまいなんだなぁ・・・。
もっとみんなといたいよ・・・。

珠美は1人会話から外れて、この個性的な5人を悲しげな目で見つめた。

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