《MUMEI》

真剣な眼差しに私に欠けた何かを拾ってしまったかの如く、闇に潜む鉛にもー偶然光が差し込むことがあるのかもしれないとゆう恐怖にも似た不安感。蜘蛛の糸に捕らわれて逃れられなくなってしまった絶望感。
 普通の人にとって何でもないことでもルナにとっては限界なことがある。誰にも見つけられたくない。私は永遠に真っ暗な海の底で眠り続けて居たいだけなのだから。

 お願い邪魔しないで。
 お願い狂わせないで。
 お願いそつとして置いて。

 さっきまでの感情を打ち消すのに必死だった。自分だけの世界に異物を混ぜたりすることは、自分にとっても絶対に許せないこと。
ルナにとって絶対的な居場所、それが今この男の子に寄って硝子の城みたいにもろくも壊されてしまいそうな気がしてならなかった。

 たすけて、たすけて…

 早く此処から逃げ出したいと思う心、再び飴色の液体がいつもより激しく体を侵し初めている。自分自身を動かすことさえもうすでに出来なくなっていた。一瞬にしてココが自分の部屋に変わったらどんなにいいだろう。

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