《MUMEI》

それにしても下校して来る女の子たちは、清楚な香りを漂わせて、あまりにも別次元の存在だ。ぼくの通っていた学校は男女共学だけど、ウソっぽブランドを身に付けて得意そうに媚を振るーそんなタイプばっかりだったから。
 ほんとに探偵気分でいて大丈夫なのかと不安にはなったけど、ルナを見つけ次第連れ去ってこの場を離れてしまえばいい。ルナが一緒に来てくれたらのことだけど。
 昼はもうとっくに過ぎているのに、今日の陽射しはやっぱり十分きつい。ペットボトルとタオルを片手にコンビニとの往復で時間を費やしていた。
 高校の時とは違って、もしかしたら午前中で切り上げて帰ってしまったのかもしれない、とゆう考えが浮かび不安になったりもする。学生に疑われないように門から少し離れた距離を保った状態で、そっと監視していよう。門前の道を隔ててすぐにコンビニや書店が軒を連ねてる。その物陰に身をひそめながらチェックすることにした。

 双眼鏡持ってくればよかったかな。

 立ったりしゃがんだりの繰り返しでもう少しで二時間になる。かなり脚も限界に近くなって、数歩歩くだけで絡まりそうだった。
コンビニのカウンターにでも座って、窓越しから続行しようかな。そのとき何かが瞳に映った。

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