《MUMEI》

答えを解いたときの喜びに似た表情には、まだ幼さが残っていた。この商品は多分ひとつではナイだろうし、ぼくが落とした証拠もないとゆうのに、こんなにあっさり認めてしまっていいのか?それでもぼくにとっては超都合のいい状況だった。
 彼女を取り巻く女の子たちは何だかよくワカラナイといった感じで、まだ距離を縮めようとはしない。でもぼくは退かなかった。このチャンスを逃すと二度とルナに逢えなくなってしまうような気がして。

「ルナに逢いに来たんだ」

もう彼女はすっかりルナの友達だと信じ込んで向こうから進んで話し出した。とゆうより彼氏かも?とゆう興味本意での視線だった。
軽い、ウソの様に軽過ぎる。疑われるよりは、ましだけどー

「とりあえず、喫茶入らない?」

 夕方とはいえ一日中立ったままでは死んでしまう。何気に一人しか誘ってないよーみたいな光線送ったら、気付いたのがどうかわからないけど周りの友達は自然に散って行ってくれた。ぼくの安堵の表情を見て、並んで歩き始めた彼女はクスっと笑った。
 コンビニから五分ほど歩いて右折した辺りから見える珈琲屋、さりげに促してエアコンの効いた場所にやっと腰掛けることが出来た。

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