《MUMEI》

「やっぱりお揃いだったんだね。本当はピンクの瞳を揃えて願い叶えたいとこだけど、いつ手に入るか解らないし。拾った物だってルナから聞いてたから、効果ないかもしれないなあーって諦めてたし」

 こんなにあっさり返してもらえるとは思わなかった。でもこれは確かにこれはぼくの編みぐるみ。だってJUJUに付けて上げた革紐のストラップと同じなのだから。とにかく用事は済んだ。早くルナのこと聞いて、そっちに向かおう。

 ストローを抜いて残りのアイスをグっと飲み干して立ち上がろうとしてるぼくをよそに、美羽はぼくに興味あるルナの話しを語り出した。彼女はぼくをルナの彼氏だと思ってるから、無防備になっているみたいだ。美羽の細い指先はマドラー替わりにレモンティーをかき混ぜている。

「ルナっていつも独りでいるしょう?あたし以外の友達といるとこ見たことないし。やっぱり施設に居たから人には心を開かないのかなあーって思ってたけど、少しだけ安心したよ。彼女も普通の人間なんだね」

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