《MUMEI》

今日は一日がとっても長かったような気がする。こんな状態のルナに、あえて説明を聞こうとは思わなかった。美羽から色々情報が入っていたせいなのかもしれない。今こうして傍に居るだけで何もかもが同化してゆくような、そんな気がしてならなかった。
 
 ただ、どうしてココまで自分をいじめてしまうのか…

 ぼくは眠り姫のベットに遠慮がちに半分体をあずけていたけど、寝顔と闇に浮かぶ熱帯魚を交互にボーっと見つめていたら次第に眠たくなって来て、いつも一緒に寝てるJUJUを見つめる自分と、真ん前に眠るルナの寝顔を見てる自分が重なっていった。

 JUJU、起きたらきっとこの世界のことを話すね。だから今日は家でいい子で待っててね。

 見つかったぼくの方の黒兎の編みぐるみは、新しくストラップで携帯に付け直しておくから。

 一度無くしたことは内緒にしておこう。

 やがて、ぼくの中にある二つの寝顔は、完全に重なってしまった。

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