《MUMEI》

毎日琥珀につきまとわれうんざりしてる自分とは別に、無駄な燃焼物とも思われる愛なるモノが血液の中に入り込んで違和感を捨て去ることすら出来なくて苦しんでいた。頭の中に溶け始めたゼリー状の液体は吐き気とともに洗い流してしまいたい。

 ああー早く、はやく…

 都会の路地裏に潜む、クラブ・ドレッド。汚れた者たちはいつの間にかこうやって自分と同じ匂いを持つ仲間とは呼べない人間たちとたむろしてゆく。爆音とカラフルな光が異様な煙に包まれて、パレットの中のような色合いを創り上げては壊していた。
 ココは誰にも邪魔されず、猛り狂うように踊りまくれる月の影に隠れた泥闇クラブ。とがめられることなんて絶対に有り得ない狂った裏街の一角。自分自身を感じることが出来なくなって、世の中をメチャメチャにしてゼロにしてしまいたいとき。踊り、狂い、猛り、煙に酔い、ginを浴びる。

 だけど今日の私の行動は、いつもとまったく違うものだった。

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