《MUMEI》

彼は図書館で海に眠る十字架のお墓を探してたときに、一方的に声をかけられただけ。
どうして携帯の番号やアドレスまで教えてしまったのだろう?何度も聞かれて根負けしてしまったから?それとも教えてもいいとゆう深層心理が働いてたーとか。

 あー何なの?いったい!

 イライラを通り越してあきれてしまっていた。ルナの知らないところで別次元が勝手に経過していたようだ。しかもあんなに嬉しそうに持ってた黒兎の編みぐるみは琥珀とのペアだと勘違いしたみたいで、さっさと返してしまったみたいだ。

 学校、そのうち行くよ。

とだけ美羽に返信を済ませてベットに横たわって、痛みの残る携帯を持つ左腕をシルクのシーツに馴染ませた。すぐに返信は来たけど、もう見る気力もなかったからほって置くことにした。そして瞳を閉じて、もう二度とは見られないブルーの瞳の編みぐるみのことをぼんやりと思い浮かべていた。

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