《MUMEI》

やがてぼくは眠りと共に無になり漆黒の闇からの誘いにもうろうとし始める。そしてこんなときはいつも悪夢でうなされて沢山の汗をかいて目覚める。寝起きは決してよくないのに、目の前の少女はあどけない顔でスヤスヤと眠っている。そんなときぼくは思うー

 この悪夢がJUJUのものでなくてよかったと…


 今日はお金が手に入る日だ。数日前に茶々丸からメールが入っていた。やっとぼくの目的が果たせる。あれからずうーっと一緒に部屋にいる可愛いぼくの宝物、少女へのプレゼントを。すぐにでも新しい女の子らしい洋服を買って上げよう。それから大きなテディーベアも。いや、ミッキーマウスとかキティーの方が好きかな?
 そう思うだけでハッピーな気分になれる。ぼくの胸はすっかり弾んでいた。
 昼過ぎまでゆっくり寝ていた琥珀は、JUJUを起こさないようにそっと起き上がって、顔を洗ってさっぱりした気持ちで着替えをした。

 公園の噴水前で茶々丸と受け取りの約束をした。待ち合わせにはどうせ遅れて来るだろうと思って少し遅く出かけたけど、意外と早く、遠くにニヤついた物体が立っていた。あいかわらず取り巻きの連中も数人いる。斜めに歩くサラヘアのヤツは無事にここまで辿り着けるのか?金属の音が近付くと共に段々気分が悪くなりそうだったけど、今日だけだから我慢ガマン。

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