《MUMEI》 ルナ… 受け取る物は受け取った。さっさと茶々丸といるこの場所から少しでも遠く離れてしまおう。 「じゃあ」 とー声を掛けようとしたルナを隠すように、早々立ち去ろうとした。でもその行動はしっかり茶々丸に見抜かれてしまっていた。重たい金属と趣味のわるい入れ墨の腕を怠そうに上げて指を差す。 「あれー」 ニヤニヤしながらぼくの後ろを覗き込む。 とりあえずこの場はもう仕方がないと思った。ぶっきらぼうに紹介だけすることにした。 「あールナ、こいつ茶々丸」 それだけを言って無理やりルナの腕を引いて公園を離れようする。取り巻きの一人が近付いて来て、ルナの真ん前にガムをクチャクチャ噛みながら頭から脚の先まで舐め回すように観察した。 なんだコイツ! そして茶々丸までも 「どっかで逢ったことあるかな?」 ニヤリ… ぼくは恐怖と寒気で耐えられなくなり、再びルナの腕を強引に引いて公園をさっさと後にした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |