《MUMEI》

「もう追いかけて来ないと思う」

 やっと出してくれたルナの声をきっかけに、ぼくからも話すことが出来た。

「どうして公園に?」

 まさか真っ昼間からナンパでもないだろうーと思ったぼくからの質問に、

「なんとなく」

 子供みたいにちょっと口を尖らせてぶっきらぼうに答えるルナ。再び気まずくなるといけないからー

「傷はどう?もう痛くない?」

 一番心配してることをぶつけてみた。

「ほっといてくれればよかったのに」

 ふくれっつらするルナはまるで子供?

「怪我してたら病院に連れて行くの当たり前だろう」

 今度は僕がぶっきらぼうに答えを付き返した。
 ほんの数分の間、お互いの視線が絡み合う。不思議とドキドキする感覚より、同じ空気を共に吸う空間に身をゆだねた。そして唐突にー

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